2021年規則改正について

リトルリーグ国際本部は1月に公式ホームページと公式アプリで2021年のルール改正を掲載しました。公認規定、トーナメント規則で変更、修正箇所は多岐にわたっていますが、日本協会では国内でのリトルリーグ活動に関連する記述を抜粋して紹介します。下記主な変更抜粋は、2021年2月の運営委員会で12連盟に配布しています。

なお、解釈と留意、確認などが必要な箇所には[注](注釈)を付記します。(最終更新2021年3月25日)

2021年 主な変更抜粋

(変更箇所は赤字で記載)

規定I(g)リトルリーグ以外の大会への参加

トーナメント規則 トーナメント編成『他の大会への参加』

【変更内容】
規則を修正し、リトルリーグ以外の大会への参加、特にリトルリーグ基金やAIGグループのリトルリーグ向け保険を利用しての大会への参加、及びリトルリーグ以外のイベントとの交流に関して、大会へのリトルリーグからの参加者、管理者、およびボランティアについてのガイドラインを提供する。

規定 I(g) リトルリーグ以外の大会への参加 (2018年日本語版ルールブック25P)

【変更部分】

(g)参加者、管理者、およびボランティアは、以下の指針に従っている限り、リトルリーグに参加しながら、他の野球およびソフトボール大会に参加することが許可される。

  1. リトルリーグの名称または商標を使用して調達された資金は、リトルリーグの活動以外に使用できない。
  2. リトルリーグ以外の大会への参加者による出費に関しては、リーグの資金を使用しないものとする。
  3. リトルリーグ以外の大会への参加には、チームのリトルリーグユニホームの着用、リーグが購入した機器の使用、各リトルリーグの名称や公認マークの使用など、各リトルリーグ゛を示すものは使用しない。チーム・所属する個人がリトルリーグ以外の大会に参加するための費用については、そのチーム・所属する個人が責任を持つ。
  4. リトルリーグ以外の大会への参加は、リトルリーグ向けのAIGグループ保険プログラムの保険は適用されず補償もされない。そのような活動を組織する管理者がリトルリーグ以外の参加に対して別途保険を取得する必要がある。

各リトルリーグがこの規則に違反した場合、リーグ公認が取り消されたり、そのようなチームに関連するリーグや個人がリトルリーグ試合への参加の権利が停止されたりする可能性がある。リトルリーグ国際トーナメント試合の選手の資格要件に関して、リトルリーグ以外の大会、クラブ、トーナメント試合、イベント、または試合に参加する個人またはその個人が所属するグループは、この規則、規則IV(a)注2の規定、および以下の「他の大会への選手の参加」に関するトーナメント規則とガイドラインの規定の対象となる。

トーナメント編成 『他の大会への参加』(同T-6P)

【変更部分】

各リトルリーグによる規定I(g)への違反は、リーグ公認が取り消されたり、そのようなチームに関連するリーグや個人がトーナメント試合への参加の権利が停止されたりする可能性がある。リトルリーグ以外の大会、クラブ、トーナメント試合、イベント、または試合に参加する個人またはその個人が所属するグループは、規則I(g)および規定IV(a)注2の規定の対象となる。

【注】スペシャルゲーム(規定 IX(a)の項参照)を含め他団体との交流については、違反と処分を避けるため事前に必ず日本協会に資料を提出し実施への確認が必要となる。保険については国内の場合「リトルリーグとして加入している保険」とする。

規定Ⅶ(d)及び規則4.13項

【変更内容】
各リーグはダブルヘッダーを、マイナー部門は週に1回、メジャー部門は週に2回まで設定し試合することが許される。

【変更部分】

規定Ⅶ(d)項(同 47P)

(d)

リトルリーグ(メジャー)部門:
各チームはダブルヘッダーを週に2回実施することができる。いかなるチームも1日に3試合を実施してはならない。

ティーボール及びマイナーコーチピッチ、マイナーマシンピッチ部門:
いかなるチームも1日に2試合を実施するスケジュールが組まれてはならない。

マイナー選手ピッチ部門:
各チームはダブルヘッダーを週に1回実施することができる。

インターミディエット(50-70)、ジュニアリーグ、シニアリーグ部門:
ダブルヘッダーは認められる。

規則 4.13項 ダブルヘッダー(同 95~96P)

リトルリーグ(メジャー)部門:
各チームはダブルヘッダーを週に2回実施することができる。いかなるチームも1日に3試合を実施してはならない。

ティーボール及びマイナーコーチピッチ、マイナーマシンピッチ部門:
いかなるチームも1日に2試合を実施するスケジュールが組まれてはならない。

マイナー選手ピッチ部門:
各チームはダブルヘッダーを週に1回実施することができる。

インターミディエット(50-70)、ジュニアリーグ、シニアリーグ部門:
ダブルヘッダーは認められる。

【注】本変更はレギュラーシーズン規定への変更に見える(後述のトーナメント規定の“日程”の項があるため)が、三田DAの問い合せに対し、国際本部ダニエル・ヴェルテ上級執行役員(規則委員)より明確に全日本選手権大会において週2回のダブルヘッダーが許されるという回答であったため、全日本選手権に適用されるものと判断

規定 IX(a)及びトーナメント選手の適格性 (同49P)

【変更内容】
スペシャルゲーム(特別試合)を選手のレギュラーシーズンの試合数に数えることができ、選手のトーナメント出場資格に影響を与える。

【変更部分】

規定IX(a):

(a) スペシャルゲーム(特別試合)は次のように規定される:

  1. レギュラーシーズンの試合数に数えることができる。
  2. リトルリーグ国際トーナメント試合以外。
  3. リトルリーグ公認チームによる試合であること。
  4. 地区責任者の書面による承認がなされていること。

スペシャルゲームの中でリトルリーグのチームに対して行った試合は、レギュラーシーズンの試合数に数えることができる。シーズンにおいて、チームは最低12試合(シニアリーグ部門は10試合)をスケジュールしなければならない。

【注】チームは最低12試合をスケジュールしなければならないので、リーグ内に2チーム以上必要と思われる。

公認競技規則

規則6.08項(a) (同110P)

【変更内容】
マイナーリーグ部門とメジャーリーグ部門では、打者が打席に入っているどのタイミングでも、守備側チームは常に「申告敬遠」を選択できる。

【変更部分】

規則6.08

次の場合、打者は走者となり、アウトになることなく安全に一塁に進める権利が与えられる(ただし、打者が一塁に進んで、一塁ベースに触れることが条件となる)。

(d)

(1)審判員が“四球”を宣告した場合、ボールデッドとはならず、走者は進塁することができる。

(2)マイナー/メジャー部門:守備側チームは、球審に対し、“申告敬遠”を選択することを通知することができる。この通知は、打者がバッターボックスに入る前でもバッターボックスに入っている時でも構わない。

注1:そのような通知は、守備側チームの監督が行う必要がある。監督は審判員に“タイム”を要求し、審判員が“タイム”を宣告したのちに、守備側チームの意思として打者に故意四球を与えることを通知しなければならない。

注2:ボールデッドとなり、フォース状態にない他の走者は進塁できない。監督が申告敬遠を通知した時の打者が申告敬遠を完了するのに必要なカウントに基づき、投球数が与えられる。

トーナメント規則

トーナメント編成 『チーム』(同 T4P)

【変更内容】
各登録リーグは地区責任者の承認を得て、各チームが公平で一方に偏らずバランスが取れていると判断できれば、2つ以上のチームとして参加することができる。

【変更部分】

各登録リーグはチームとして参加することができる。代理は許されない。

注:各リーグは、各チームが公平で一方に偏らずバランスが取れていると判断できれば、地区責任者の承認を得て、複数のトーナメントチームをエントリーできる。

トーナメント編成 『選手の適格性』 (同T7-T8P)

【変更内容】

トーナメント選手の適格性

– 選手がどのトーナメントチームに適格かを判断するのはレギュラーシーズンの期間において選手が属する部門によるのではなく、年齢によることを認める。
–トーナメントを選択する資格を得るために、選手が参加しなければならない試合数を設定するように修正する。改定では障害による例外や中学、高校に関する条件2が含まれる。
– その部門でプレーする能力があると評価され、トーナメント要件を満たしている12歳の選手にシニア部門のチームを選択できるよう、許可する。

【変更部分】

トーナメント選手の適格性

選手はリトルリーグで定めた“適正な居住地または通学先”、“他の大会への参加”基準に加え、次のものに適合していなければならない。

8-10歳部門
アマチュア資格を持つリトル年齢8,9.10歳の選手は当該部門のトーナメント試合開始までのレギュラーシーズンにおいて、学校の野球/ソフトボールシーズンを除き、少なくとも8試合(特別試合も規定IXによりこれに含む)に参加していること。

9-11歳部門ー
アマチュア資格を持つリトル年齢9,10,11歳の選手は当該部門のトーナメント試合開始までのレギュラーシーズンにおいて、学校の野球/ソフトボールシーズンを除き、少なくとも8試合(特別試合も規定IXによりこれに含む)に参加していること。

リトルリーグ(メジャー)部門ー
アマチュア資格を持つリトル年齢10,11,12歳の選手は当該部門のトーナメント試合開始までのレギュラーシーズンにおいて、学校の野球シーズンを除き、少なくとも8試合(特別試合も規定IXによりこれに含む)に参加していること。

インターミディエット(50-70)部門ー
アマチュア資格を持つリトル年齢11,12,13歳の選手は当該部門のトーナメント試合開始までのインターミディエット部門のレギュラーシーズンにおいて、学校の野球シーズンを除き、少なくとも8試合(特別試合も規定IXによりこれに含む)に参加していること。

選手の適格性 条件3 (同T8P)

【変更内容】
選手が所属するトーナメントチームが、国際トーナメントで敗戦した時は、選手が、2番目のトーナメントチームを選択することを認める。該当選手は要件を満たせば、トーナメントチームの選手として選抜できる。

【変更部分】

条件3:
1人の選手は、一時点では1つのトーナメントチームに所属し、そのチームでのみ練習することとなる。リーグ会長、選手係、地区責任者(あるいはその代理人)が、登録書にいったんサインすると、その登録書に記載された選手は、そのトーナメントチームが敗戦するまで、その年の他のトーナメントチームには選抜できない。いったん、トーナメントチームがリトルリーグ国際トーナメントで敗戦すると、選手は、以下の要件を満たせば、2番目のチームに登録できる。

  1. 選手の適格性要件を全て満たしている。
  2. チームの登録人数にまだ空きがあり、追加選手登録が可能である。
  3. 既に登録済の選手と入れ替えるのではなく、追加登録可能である。
  4. 選手の以前の登録チームより、年齢が上位のチームである。
  5. 選手が年齢上位のチームでプレーできる能力を有していると認められること

選手が、2番目の登録チームで活動する前に、地区責任者もしくはその代理人により、上位チームで活動できる能力があるという点についての認証が必要である。

リトル年齢9,10,11,12,13,14歳の選手は、複数のトーナメントを選択できる。どのような状況でも、選手は同時期に複数のトーナメントチームに所属して練習や参加はできず、ひとつのチームでのみ練習することとなる。条件3で規定された条件下でのみ、選手は2番目のトーナメントチームを選択できる。

【注】年齢が上位のチーム=最高年齢が上位のチーム
「メジャー(全日本)予選敗退」→「IM予選参加」の順番なら可
「IM予選敗退」→「メジャー(全日本)予選参加」の順番は不可

トーナメント編成 『日程』8-10歳、9-11歳、リトルリーグ野球部門 (同T-11P)

【変更内容】

8-10歳、9-11歳、及びリトルリーグ野球部門は、各トーナメント・レベルでダブルヘッダーを行うことを承認する。

【変更部分】

各チームはトーナメントの各レベル(地区、セクション、部門、州、地域)で、適用除外なしにダブルヘッダーを実施することができる。

【注】発表資料(主な変更点)では“ダブルヘッダーを「1回」実施できる”となっていたが、公式ルールブック、アプリでは上記の記述となっている。

トーナメント規則9 (同T-22P~)

【変更内容】
全員出場義務として、選手が打席後に出塁した場合、その選手がアウトになるか得点するか、またはイニングまたはゲームが終了するまで出場し続けなければならない。国際トーナメント中に、選手が走者としての出場条件を満たす前に交代された場合、不適格な交代として扱われる。

【変更部分】(2019年に項番cが追加されているため、日本語版ルールブックと項番が異なる)

d
この規則による全員出場義務規定を満たさないことは抗議の根拠となる。メンバー登録表に記載された選手の1人以上がこの条件を満たさず、抗議されるかトーナメント委員会に伝えられた場合、トーナメント委員会の措置では、 監督は退場となり、残りの国際トーナメントからも解任され、交代することもできない。
例外:走者に対する全員出場義務を満たす前に交代した選手は、不適格な交代を行った選手とみなされる。
さらなるペナルティもある。それには、没収試合や全員出場義務を満たさなかった選手に対する追加の出場義務、トーナメントにおけるチームやコーチの資格剥奪も含められる。

e
この規則でいう「守備において連続する6アウト」とは、選手が9箇所のいずれかの守備位置についた状態で連続した6アウトをとることをさす。「攻撃において最低で1打席」とは、選手がノーカウントから打席に立ち、その打者が凡退するか、打者走者としてアウトになるか、出塁した場合は、得点するか、そのイニングまたは試合が終了することをさす。

【注】全員出場義務には、打者が出塁した場合に走者としての義務が加わった。例えば、代打で出場し出塁した場合、代走およびスペシャルピンチランナーを起用すると全員出場義務を満たしたことにならない。先発出場の選手がその試合の最初の打席で出塁した場合には、代走およびスペシャルピンチランナーを起用すると全員出場義務を満たしたことにならない。