【テーマ9】
ファウルラインの外側、スリーフット・ラインって、なんのためにあるの?

 一死満塁とします。ここでバッターの打った打球は当たりそこねで、ピッチャーとキャッチャーの中間に転がりました。キャッチャーが必死につかみますが、本塁は間に合いそうもなく、打者走者をアウトにしようとファーストに送球します。アウトかセーフか、ぎりぎりのタイミングです。

 ところがこのボールが、一塁ペース直前でランナーの背中に当たってしまった。さらにややこしいことに、このランナー、夢中になって思わずラインより内側を走っていました。三塁ランナーは、送球が背中に当たる前に本塁をかけぬけていたとしましょう。

 さて、ここで問題です。三塁ランナーのホームインは、認められるのでしょうか。また、この間にそれぞれ二、三塁に進塁していたもとの一、二塁の走者は、そのまま進塁が認められるのでしょうか。

 答えを説明する前に、スリーフット・ラインについてお話ししましょう。本塁と一塁を結ぶファウルラインの後半から、外側に3フィート(約91センチ)はりだした線が引かれているのはご存じですね。これは、なんのためにあるのでしょう。リトルリーグ競技規則の7.08(k)を見てみましょう。

 「打球が一塁へ向けて処理されている時、打者走者が本塁から一塁へ到る距離の後半で、スリーフット・ラインの外側(右側)またはファウルラインの内側(左側)を走り、野手の一塁への送球または打球の処理を妨害したと審判員が判断した場合」打者または走者による妨害となり、走者はアウト、ボールデッドとあります。

 つまリスリーフット・ラインは、ランナーが守備側の送球や、打球処理を妨害しないように引かれているんですね。「打球が一塁へ向けて処理されている時」(これはおもに、キャッチャー前のゴロの場合といっていいでしょう)、ランナーはスリーフット・ラインのなか(内側・外側ともライン上はOK)を走りなさい、ということです。

 明らかなヒットの場合は、一塁ペースを回りこみやすいように、スリーフット・ラインよりも外側にふくらんで走りますね。これはいいんです。「打球が一塁へ向けて処理されている」わけじやないですから。ですが問題のケースは、キャッチャーが一塁でアウトにするため、送球しようとしています。つまり「打球が一塁へ向けて処理されて」いますね。

 ランナーのいる、いないにかかわらず、キャッチャー前、一塁ラインぎわにゴロが転がったとしましょう。ファーストが、走ってくるランナーと重なっていては、キャッチャーは送球しにくいですね。そこでファーストの基本は、フェアグラウンド側に伸びること。そうすれば、ランナーとファーストミットが重ならないから投げやすいわけです。

 このケースでは、ランナーがファウルラインより内側を走っていました。これでは、いくらファーストが伸びていても、キャッチャーは投げにくい。そして案の定、送球が当たった。これでは、「野手の一塁への送球を妨害した」と判断されてもしようがないでしょう。そこで、答えはどうなるか。7.08の(k)に該当する打者走者は守備妨害でアウト、これは問題ない。では、三塁ランナーのホームインは認められるのでしょうか。

 打者走者の背中に送球が当たるより早く、ホームをかけぬけていたんだから、1点が記録されるはず…確かに、妨害があろうがなかろうが、三塁ランナーはそれ以前にホームを踏んでいます。1点が認められそうな気がしますね。しかしリトルリーグでは、こう定めています。インターフェアランス=妨害(a)「(前略)審判員が打者、打者走者、走者に対して妨害を理由にアウトを宣告した場合は、他のすべての走者は、審判員の判断に従い、妨害発生の時点で正規に触塁していた直前の塁に戻らなければならない(後略)」。

 どうですか。これを読むと、いかに妨害よりも早くホームペースを踏んでいても、その直前の塁、つまり三塁に戻されることがわかるでしょう。二、三塁に進んでいた走者にしても同じことですね。このケースでは、もしスリーフット・ライン内を走っていれば1点も、それぞれの進塁も認められていたところ。野球のルールというのは、反則すると損するようにできているんですね。

(※リトルリーグの競技規則は、一般の公認野球規則とは若干ちがう部分があります。)



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