Q.バントを試みたとき、打席から足が出たらアウト?

 無死で、ランナーが一塁にいます。送リバントも予想される場面なので、ピッチャーは外角遠めにボールを投げました。案の定、バッターはバントをしかけます。ウエストしたタマになんとかバットを当ててファウルしましたが、このとき、右足が打席の外に出てしまいました。判定はどうなるでしょうか。

 「足が出ていれば、アウトでしょう?」

 「いや、ファウルだから、ワンストライクでそのまま続行じゃないんですか」

 その答えは、リトルリーグ競技規則の6・06にあります。6・06には、打者がアウトになる反則行為について、ふれられていますが、その(a)には「片足または両足を完全にバッターボックスの外に置いて打った場合」は打者はアウトである、とされています。さて、問題のケース。まず、右足がどの程度バッターボックスから出ていたかによって違いますね。ラインはバッターボックスの一部ですから、「完全にバッターボックスの外に置いて」打つということは、足がラインにもかからない状態です。逆にいうと、足の一部でもラインにかかっていればバッターボックス内で、「完全にバッターボックスの外に置いて」はいない、つまリアウトではない、と解釈されます。

 では、飛びついてバントしたときはどうでしょうか。バットに当てたときは空中でも、着地したときの両足が、完全にバッターボックスの外だったとしたら……。条文の解釈では、空中にいるあいだは「片足または両足を完全にバッターボックスの外に置いて打った」とは見なされませんから、これもアウトではありません。要は、遠くて高いボールに足の一部を踏み出したり、飛びついてバントするのは反則ではないわけです。

 逆に、かりに片足はボックスのなかでも、もう一方の足が完全に外に出てしまったら、反則行為でアウト、ということです。フェアかファウルかは問いません。公認野球規則6・06(a)には、こんな【原注】があるのです。「本項は、打者が打者席の外に出てバットにボールを当てた(フェアかファウルを問わない)とき、アウトを宣告されることを述べている(後略)」。この原注はさらに、敬遠の四球が企てられているとき、球審は打者の足元に注意するように促しています。多少のボールなら打とうとする打者がいますからね。さて、この規則をよくよく見ると、「バットにボールを当てた」ときだけに適用されますから、空振りならアウトにならないわけですね。どうせ足が出てしまったのなら、空振りしたほうがマシなのです。

A.完全に足が出たかどうか、ボールに当たったかどうかで決まります

 昨シーズンのプロ野球で、千葉ロッテの西岡剛選手がバントを試みたとき、右足が完全に打席の外に出ていたので、アウトを宣告されました。プロではめずらしいですが、甲子園の高校野球では、一大会に一度くらいは見かけられます。メジャーリーグでは、ハンク・アーロンがもったいないことをしています。右翼席にライナーでたたき込んだのですが、右打者のア一口ンの左足が、ボックスの外に出ていてアウトを告げられました。ゆるいボールに対して、いつもより投手寄りに立ったアーロンがステップしたとき、つい左足が出たそうです。雨上がりのグラウンドスパイクのあとがきっちり残っていたのも不運でした。

 6・06ではほかに(c)で、「打者がバッターボックスから足を踏み出して、捕手の守備行為ないし送球を妨害するか、その他本塁における捕手のプレイを妨げる動作を行なった場合」は打者アウト、とされています。このとき、進塁しようとした走者がアウトになれば、そちらが優先で打者のアウトはとられません。たとえば無死一塁で捕手がファンブル、走者は二塁を狙います。そのとき打者の妨害と見なされる行為がありながら、走者がアウトになれば、一死走者なしから始まるわけ。このように、ルールというのは、不利を受けたほうに味方するのです。また日本では従来、スクイズプレーで反則打球があったら、三塁走者がアウトとされてきましたが、今年のルール改正では、打者がアウトと変更されたことを付け加えておきます。



Copyright (C) JAPAN LITTLE LEAGUE. All Rights Reserved.