Q.走塁妨害では、自動的に進塁できる?

jissen49_1.jpg  問題です。ショートへの内野安打で一塁に生きた打者走者。ショートからの送球をファーストがそらしたのを見て、二塁へ走りかけます。ところがこのとき、カバーに入ろうとしていたセカンドとぶつかり、その場に転んでしまいました。あわてて立ち上がって一塁に戻ったのですが、攻撃側から抗議がありました。

 「走塁妨害で、打者走者は二塁へ進めるのではないですか」

 う〜ん、確かに転倒していなければ二塁へ行けたタイミングです。しかし野球のルールは、たびたび、ふれるように守備側優先にできている。カバーに入ろうとしたセカンドは、故意に走者と接触したわけではありませんから、成り行きまかせでそのままプレー再開してもよさそうです。

 もともと走塁妨害とは、「野手がボールを持たないときか、あるいはボールを処理する行為をしていないときに、走者の走塁を妨げる行為」(公認野球規則2・15)です。補足すれば、「野手がボールを処理する行為をしている」とは、野手がまさに送球を捕ろうとしているか、すでに近づいている送球を受け止めるのにふさわしい位置を占めなくてはならなくなったことをいいます(打球の処理についてはもともと守備が優先ですので、走塁妨害はありません)。走塁妨害か否かは審判員の判断によるのですが、この場合セカンドはボールを持っていませんから、明らかに走塁妨害です。

A.すべては審判員の判断です jissen49_2.jpg

 リトルリーグ競技規則7・06は、走塁妨害に関するルールで、(a)(b)に分かれています。

 (a)は、走塁を妨げられた走者に対してプレーが行われている場合のことで「(前略)ボールデッドとなり、各走者はアウトにされることなく、審判員が妨害がなければ達し得たと推定される塁に進塁する(後略)」。(b)は、走塁を妨げられた走者に対してプレーが行われていない場合で、「その場のプレイにかかわるいっさいの行動が完了するまでプレイを進行させなければならない。その後で審判員は“タイム”を宣告し、必要とあればその妨害行為を取り除く効果をもたらすと審判員が判断するペナルティーを与えるものとする」。まぎらわしいですが、(a)も(b)も、もし妨害がなかったら達していたのではないか、という塁まで、審判員の判断で走者を進めるということですね。(a)の場合は「走塁妨害を受けた走者は、妨害発生前に正規に触れていた塁から少なくとも一個先の塁を与えられる」。ただ(b)の場合は、走塁妨害があったからといって自動的に○個の塁が与えられるとは限りません。

 ここでややこしいのは、「走塁妨害を受けた走者に対して」プレーが行われていたかどうか、ということです。これは、妨害した野手が、その走者を現に刺殺しようとしていたかで判断すればいいでしょう。単純な例では、走者一塁でショートゴロ。一塁走者が、二塁に入ろうとしていたセカンドと交錯して転倒しますが、ショートはファーストに送球します。となると明らかに、走塁妨害を受けた走者に対してのプレーではありません。つまり、適用されるのは(b)です。

 問題のケースも、ベースカバーに入ろうとしていたセカンドの走塁妨害。“走者に対してプレーが行われていなかった”のですから、適用されるのは(b)、ボールインプレーですね。それが完了したあと、“その妨害行為を取り除く効果をもたらすと審判員が判断する”ことで、走者を二塁へ進めるかどうかが分かれるのです。もちろんボールインプレーですから、送球がそれたのを見て、走者は先の塁をねらってもいい。ただしこの場合は、あくまでもアウトになる危険を冒してのプレーになりますから気をつけてください。たとえば右翼線の長打性の当たりで、一塁手とぶつかった。それでも二塁はゆうゆうセーフで、さらに三塁を欲張った。これは、ゆうゆうアウト。ここで「妨害があったから、ひとつ先の塁まで行けるのでは……」といっても通りません。妨害がなかったとしてもアウトのタイミング、と判断されれば、そのままアウトになるのです。



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