Q.エンタイトル二塁打のとき、走者はどこまで進めますか?

 全日本選手権などの関係で2力月お休みしましたが、今月は、その間にいただいたご質問にお答えしましょう。

 「先日、下記のようなことがありました。無死走者一、三塁で打者がライトに安打を打ちました。しかし、打球が外野ネットに当たり方向を変え、ライトのサイドネットの下をくぐりぬけボールデッドとなり、審判員よりエンタイトル・ツーべースとして打者に二塁を与えました。ただ、打球がサイドネットをくぐりぬけた時点で、一塁走者はすでに二塁を通過していたため、二塁から二個進塁して得点となったのです。

 野手は触球しておらず、走者は投手が投球時に占有していた塁からの二個進塁とアピールしたのですが、『ボールデッドになった時点で走者が占有していた塁からの二個進塁』と説明され、得点は認められました。この場合どうなのでしょうか? また、野手が触球していた場合はどうなのでしょうか?」(東北連盟 S・Mさん)

A.投球時に占有していた塁が基準です

 結論からいうと、これは審判員が判断を誤りましたね。かりに「ボールデッドになった時点で走者が占有していた塁からのニ個進塁」だとすると、打者走者が一塁を回っていれば、三塁まで達していいことになりますが、そんなことはありません。野球中継などでも、もしエンタイトルでなければ二塁走者はホームインできていた……などというケースを、よく目にするでしょう。

 エンタイトル・ツーベースについては、リトルリーグ競技規則6・09(d)に「フェアボールが地面に触れた後にバウンドしてスタンドに入った場合、フェンスを突っ切るか飛び越えるか下を通り抜けた場合、スコアボードを突っ切るか下を通り抜けた場合、植え込みまたはフェンス上のつる草の中か下を通り抜けた場合(には、打者及び各走者に二個の進塁権が与えられる)」と記してあります。野手が打球に触れようが触れまいが、それは変わりません。

 これが、送球がスタンドなどに入った場合だと、ちょっと違ってくる。7・05(9)には、悪送球などによってボールデッドになった場合は、二個の進塁が与えられるとされていて、さらに公認裁定には、「(前略)打者走者を含む各走者が少なくとも一個の塁を進塁している場合は、審判員はその悪送球が行われた時点の各走者の位置を基準として塁を与えるものとする」とあります。捕りそこねた打球がフェンスを越えても、まだ捕球は完了していませんね。いってみれば、打球はまだ打球のままです。インフライトの打球がグラブに当たってスタンドに入れば、ホームランでしょう。ところが送球というのは、捕球が完了してからのプレーですね。打球に関しては無条件で二個進塁ですが、送球するのはすでに打球の状態ではないのですから、送球した時点での走者の位置が基準になるのです。

 遅くなりましたが、前回の宿題についてもお答えしましょう。「走者が打球に触れたら、リトルリーグ競技規則7・09(m)によって守備妨害でアウトになりますが、それを逆手に取り、併殺になりそうな打球に対して、走者が意図的に当たったらどうなりますか」というのが宿題でした。かりにボールデッドであれば、そのままプレーが中断しますから、併殺は阻止できる。ですが公正な野球ルール、そんなバカなことは許されるわけがありませんね。「走者が明らかに併殺の阻止を意図して、打球または打球を処理している野手を故意に妨害したと審判員が判断した場合は、ボールデッドとなる。審判員は走者に対してはその妨害行為により、また打者に対しては走者の行為を理由に、それぞれにアウトを宣告する」(リトルリーグ競技規則7・09[g])。

 いまならとんでもないプレーですが、ルールの抜け穴として通用していた時代があるのです。大リーグでは実際に、走者が併殺コースに飛んだゴロをつかみ、併殺を阻止したことがある。ただ合法的ではありますが、あまりにアンフェアということで大反響となり、新たに加えられたのがこの規則でした。



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