【テーマ34】
Q.故意落球の“故意”って?

 先月号で、故意落球と呼ばれる→プレーについてちょっと、ふれました。実は、連載第8回でインフィールドフライについて勉強したときも、故意落球の話をしていますが、ここであらためて整理しておきましょう。まず……インフィールドフライとは、無死または一死で走者が一、二塁か満塁のとき、「内野手が容易に捕球できるフェア飛球(ライナーまたはバントの結果の飛球を除く)をいう(後略)」(リトルリーグ競技規則2・00)のでした。

 このとき、フライが捕球されるかどうかにかかわらず、打者がアウトになる……というのはおわかりですね。そうじゃないと、内野手がわざとフライを落としてゲッツーを狙うという、ずるいプレーが起きるからです。インフィールドフライは「走者の利益のため」(2・00)のルールなんですね。

 では、故意落球とはなにか。これは内野手が、併殺を目論んで故意にライナーやフライを落とすものですが、リトルリーグ競技規則6・05(一)は「無死または一死で、走者が一塁。一、二塁。一、三塁。または満塁のとき、内野手がフェア飛球またはライナーを故意に落とした場合(はボールデッドとなり、打者アウト)」としています。つまり、簡単なフライをわざと落としたら打者をアウトにする。これも走者の利益、攻撃側の保護のためですが、インフィールドフライと似ていても、走者の状況、ボールデッドとなることが異なっていますね。

 「わざとじゃなくても、ライナーがグラブから飛び出ることもあるでしょう? それも故意?」

A.グラブか手に当てて落とすと“故意”です。

 もっともな質問ですね。故意かどうかの判断は、なかなか微妙です。ここでは、“故意”をこう定義しています。「容易に捕球できるはずの飛球または直球を、内野手が地面に触れる前に片手または両手で現実に触れて」[公認野球規則6・05(一)【注1】]落とした場合のこと。飛びつくような打球は容易に捕球できるはず≠ナはありませんから、これは故意落球ではないですね。

 ほかに、けっしてわざとではなくても、容易に捕球できるはずの打球をうっかり落としたら、それも故意落球と判断されます。

 またインフィールドフライのルールでは、ライナーと同様にバントの結果の飛球≠熄怺Oされていますね。バントというのは、攻撃側が選んだ作戦です。その結果がフライというミスになっても、ルールはそこまで攻撃側を保護してはくれません。ここでちょっと、頭を働かせてみてください。バントのフライはインフィールドフライにならない。そして、グラブか手に触れたら故意落球、ということは、逆にいえばグラブか手に触れなければ′フ意落球じゃない、ということですね。

 つまり守備側としては、もし相手のバントがフライになったら、捕球するふりをしてランナーを塁にくぎづけにし、わざとバウンドさせればいい(ただし、バウンドする前にグラブか手に当ててはダメ)。すばやく送球すれば、ダフルプレーも可能ですね。この連載では、ことあるごとにずるいプレーはしないように≠ニいっていますが、この場合の守備側は、ずるくもなんともありません。むしろ、ルールをよく知っているからこそ可能な、ファインプレーといつていいでしょう。

 では、一死一塁で打者がセカンドに小フライ。二塁手はこれを胸に当てて落とし、二塁〜一塁と転送して併殺しました。これは……認められます。手またはグラブ以外の体に触れたときは故意落球ではなく、ボールインプレーなのです。

(※リトルリーグの競技規則は、一般の公認野球規則とは若干ちがう部分があります。)



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