【テーマ33】
Q.フライをお手玉。タッチアップのタイミングは?

 一死走者は三塁です。左中間にフライが飛びました。君がランナーなら、タッチアップに備えてベースについておきますね。ここで、レフトが捕球。君は、ベースコーチの「ゴー!」の声に後押しされてホームに向かいます。ところが……捕球したかに見えたレフトのグラブから、ボールがポロリと飛び出してしまいました。ただ、センターがちゃんとカバーに入っていた。ボールが地面に落ちる前に機敏にキャッチします。

 公認野球規則2・15は『CATCH=捕球』を定義していますが、その【原注】にこうあります。「野手がボールを地面に触れる前に捕らえれば、正規の捕球となる。その間、ジャツグルしたり、あるいは他の野手に触れることがあってもさしつかえない(後略)」。つまりこのケースでは、他の野手(レフト)に触れたボールで も、地面に触れる前にセンターが捕らえたのですから、れっきとした捕球となり、打者はアウトということです。ここまでは、わかりますね。

 ややこしいのは、ここからです。レフトが捕球したと判断してタッチアップした三塁走者は、ゆうゆうホームを踏んでいました。ところが守備側は三塁手にボールを送り、ベースを踏んだ三塁手がこうアピールしたのです。「捕球したのはレフトではなくセンターだから、走者は離塁が早く、アウトではないですか」。う〜んなるほど、捕球の定義によると、確かに捕球したのはセンターです。さて、この得点は認められるのでしょうか、それとも……。

A.野手に触れた瞬間に、塁を離れていいのです

 結論からいいますと、得点は認められます。先の公認野球規則2・15の原注は、こう続くのです。「走者は、最初の野手が飛球に触れた瞬間から塁を離れてさしつかえない」。つまりこの問題なら、捕球するか否かにかかわらず、レフトがボールに触れた瞬間にランナーはスタートを切っていいということです。

 最終的にボールが確保されるまでランナーはスタートできないとしましょう。その場合、たとえば犠牲フライになりそうな打球が飛んだとき、2人の外野手が示し合わせ、捕球と見せかけながら意図的にグラブで相手にトスしてしまったらどうでしょう。それを二度、三度とくり返したら……いつまでたっても捕球≠ノはならず、ランナーはいっこうにスタートすることができませんね。つまりこのルールができたのは、そんなずるいプレーを防ぐためなのです。

 別の機会にくわしくふれますが、故意落球と呼ばれるプレーもあります。これは内野手が、併殺を目論んで故意にライナーやフライを落とすものですが、リトルリーグ競技規則6・05(l)は「無死または一死で、走者が一塁。一、二塁。一、三塁。または満塁のとき、内野手がフェア飛球またはライナーを故意に落とした場合(はボールデッドとなり、打者アウト)」として、事実上なんらの意味もなくしています。

 ただ、このルールが適用されるのは、内野手が故意に落とした場合のみ。つまり外野手は、わざとフライを落としてもいいわけです。センター前にイージーフライが上がった、一塁走者は捕られると判断し当然一塁に戻る、打者もあきらめて走らない……ここでセンターがわざとボールを落とし、すばやく送球すれば、併殺完成もまんざらありえない話じゃありませんね。現にかつてプロ野球で、そうした併殺狙いのトリックプレーがあったそうです。

 もっとも、どんな打球でも一塁まで全力疾走する君たちには、外野手の故意落球などというずるい手は、まるで通じませんね。さあ、今シーズンも正々堂々とプレーしよう!

(※リトルリーグの競技規則は、一般の公認野球規則とは若干ちがう部分があります。)



Copyright (C) JAPAN LITTLE LEAGUE. All Rights Reserved.