【テーマ32】
Q.投球モーションの途中で足を止めてもいいの?

 ピッチャーが投球モーションに入ったあと、いったん上げたフリーフットを止めてみたり、ぶらぶらさせてみたり……。プロ野球は、この“二段モーション”が大流行です。いうまでもなく、不規則なモーションによって打者のタイミングを外そうというもので、どこの球団でも、一人や二人はすぐにエース級の名前が挙がってくる。リトルリーグでも、そうしたプロ野球の影響からか、マネをするピッチャーをときおり見かけます。

 われわれはそのたびに直すように注意をしていますが、実はこれは、れっきとしたルール違反。二段モーションでは、世界大会だとボークとされても文句は言えないでしょう。

 「(前略)投手は一度打者への投球に関連する自然な動作を起こしたならば、中断または変更することなく投球を完了しなければならない(後略)」[リトルリーグ競技規則8・01(a)] 要は、投球は一連の流れのなかで行いなさい、というもので、上げた足を止めたり、ぶらぶらさせるのは中断、変更にあたる、という解釈です。これについては、公認野球規則に詳しく記してあります。

 「“中途で止めたり、変更したり”とはワインドアップポジションおよび、セットポジションにおいて、投手が投球動作中に、故意に一時停止したり、投球動作をスムーズに行なわずに、ことさらに段階をつけるモーションをしたり、手足をぶらぶらさせて投球することである」[8・01 (a)注1]

 同じ日本国内でも、リトルリーグを含めたアマチュア野球は、二段モーションに毅然たる態度を取っています。打者のタイミングを外すのは、球威や変化球のキレ、あるいは投球術で行うのが本来の姿。不正な動作で打者のタイミングを外すのは、姑息なやり方で、フェアプレーの精神にも反します。99年1月に開かれた社会人野球の指導者研修会では、「二段モーションは、プロではまかり通っているようだが、世界では通用しない。アマチュアは、しっかりとルールを守ってほしい」、高野連でも「あの投げ方は絶対にマネをしないように」と通達を出しています。


A.明らかなルール違反です。プロ選手のマネはしないで

 かりにある投手が「二段モーションは故意ではなく、自分にとって独自の一連の動作」といったとしましょう。ですがその投手は、走者を背負ったときにも、二段モーションで投げるのでしょうか。そうでなければ、“故意ではない一連の動作”という申し開きはできないはずです。

 かつてイギリスのサッカー界で、子どもたちにアンケートをとったことがあるそうです。そして「レフェリーに悟られなければ、反則をしてもいいと思うか」という設問に、yesの回答が高い比率を占めた。プロの選手が平気でそうしている姿を、テレビ中継などで日常的に自にしていたせいだと考えられます。これではいけないという危機感から、すぐさまフェアプレー推進キャンペーンが開始されました。

 日本のプロ野球は、アマチュアのお手本です。なのに、アマチュアで禁止している投球動作が、プロでは野放しというのもおかしな話です。アテネ五輪の今年、プロ選手で固めた日本代表がボーク続出、なんて事態にならなければいいのですが。

 ところで、この連載第25回で勉強した“フライが鳥に当たってしまったら”というルールが改訂されました。従来は鳥に当たった打球はゴロと同じ扱いでしたが、今年からは鳥に当たったフライを、直接捕球すればアウトになります[7・05(a)注1]。 さて、どこで新ルール適用第1号が出ますやら……。

(※リトルリーグの競技規則は、一般の公認野球規則とは若干ちがう部分があります。)



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