【テーマ31】
Q.肩慣らし中にフェアボールを拾ってしまったら?

 リトルリーグ競技規則3・17には、「プレーヤー及び補欠要員は、試合に出場中か、または出場の準備中のときを除いては、自チームのペンチまたはダグアウトに入っていなければならない(後略)」とあります。もちろんこれは、グラウンドの条件によって認められないケースもありますが、出場準備のためならば、攻撃中にキャッチボールをしてもいいわけです(ただし、審判に申し出るのが望ましい)。

 もしそのとき、フェアの打球を、ファウルとカン違いして拾ってしまったらどうなるのでしょうか。

 たとえば、ぎりぎりで一塁線を破った二塁打コースの打球がファウルグラウンドにころがり、それを拾ったとしましょう。そのため打者走者は、一塁に止まらざるをえませんでした。あるいは去年、大リーグの試合であったように、観客が拾ってしまうケースもないとは限りません。実はこういうケースでは、そのものズパリのルールがあるんです。

 「試合中は、ユニフォーム着用のプレーヤー、監督、コーチ、審判員、リーグ公認の報道写真班の外は競技場内に入ることは許されない。競技場に入ることを認められた人が意図的に競技を妨害した場合は、妨害が行なわれた瞬間にボールデッドとなり、塁上の走者は進塁できない。暴投したボールが偶然にこれらの人に当たった場合は、妨害とはならず、ボールインプレイである」(3・15)。

A.ボールデッドで、走者の進塁は審判の判断

 キャッチボールをしていたのは、“競技場内に入ることを認められた人”です。それが、悪意はないにしても、明らかにボールを拾うという意図を持って拾ったのですから、“その瞬間にポールデッド”となり、走者はいったん止められます。ただし条文ではふれていませんが、ボールデッドのあとに、審判の判断で、塁上の走者を進塁させることはありますので誤解のないように。

 これは、公認野球規則3・15の条文を参考にしたほうがいいかもしれません。「競技場内に入ることを公認された人」が競技を妨害したとき、その妨害が故意でなければボールインプレイなのは同じで、さらに「故意の妨害のときには、妨害と同時にボールデッドとなり、審判員はもし妨害がなかったら競技はどのような状態になったかを判断して、ポールデッド後の処置をとる」。つまり問題のケースでは、二塁に進塁できたと判断されれば、打者走者は進塁を認められるのです。

 もしボールを拾ったのが攻撃側であれば、守備妨害にとられるケースもあり、審判の判断というのはこれも含みます。ちなみに、ポールをよけようとしているのに当たったりした場合は、意図的な妨害ではないため、ボールインプレイとしてそのまま進められます。

 先の大リーグの例もそうですが、日本のプロ野球でも、ブルペン捕手や審判員が、ファウルと勘違いしてフェアボールを拾ってしまったことが何度かあったそうです。どの例も、その妨害がなければどうなったかの判断は、審判が行いました。いずれにしても、ファウルグラウンドにころがるボールは、明らかにファウルとわかっているとき以外は、手を出さないのが賢明ですね。

 これと関連して…春・夏の高校野球では、ブルペンで投球練習中のタマを捕手が後逸し、フェアグラウンドに入ってくるのをよく見かけます。審判が、それに気がつけばいいのですが、気がつかないことも多い。後逸した捕手は一刻も早くボールをとって戻りたい、とはいえプレーを中断するのも気が引ける…という心理からでしょうか、こっそりとすばやく、審判に断らずにフェアグラウンドに入るシーンが意外と見受けられるのです。そういう場合は、プレーの切れ自を見計らい、きちんと審判に申し出てからボールを拾いにいくようにしてください。

(※リトルリーグの競技規則は、一般の公認野球規則とは若干ちがう部分があります。)



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