【テーマ24】
守備妨害発生前のホームインはOK?

守備妨害の発生前のホームイン  【テーマ19】で、守備妨害についてちょっと説明しました。復習してみましょう。リトルリーグ競技規則7・09は、打者か走者による守備妨害について説明したもので、たとえば(l)には「走者が打球を処理しようとしている野手を避けなかったか、または故意に送球を妨害した場合(走者はアウト・後略)」とあります。つまり、わざとかどうかは関係なく、結果として走者が野手を避けなければ守備妨害になる、ということでしたね。

 これを踏まえて、今月の問題です。

 無死二、三塁。バッターは、ショートに高いバウンドのゴロを打ちました。遊撃手がこれを捕り、一塁に送球しようとするとき、判断に迷って、スタートが遅れていた二塁走者と交錯し、ボールを落としてしまいました。このとき、打球と同時にスタートしていた三塁走者は、すでにホームを鷹んでいたとします。さて、得点は、認められるでしょうか。

 【テーマ19】で説明したように、ぶつかったのわざとかどうかは問題ではなく、これは明らかに守備妨害です。つまりこのケースは、守備妨害の発生より先にホームを踏んでいたら、その得点は認められるのか、というのが問われているわけですね。

 「妨害があってもなくても、それ以前にホームインしているんだから、得点でしょう?」

 そう考えるのが、一見計算に合っているようです。この場合、二塁走者は妨害でアウトになりますが、かりに妨害がなく、タッチアウトになったとしても同じ一死。しかもそのアウト以前に、ホームインしているのですから。

 ここでリトルリーグ競技規則2・00のINTERFERENCE(a)を見てみましょう。

 「攻撃側の妨害とは、打撃についているチームが野手のプレイに干渉したり、その障害、妨げ、阻害となったり、混乱を起こさせるような行為をいう。審判員が打者、打者走者、走者に対して阻害を理由にアウトを宣告した場合は、他のすべての走者は、審判員の判断に従い、妨害発生の時点で正規に触塁していた直前の塁に戻らなければならない。(後略)」

A.認められません。直前の塁に戻ります。

 妨害発生の時点で、三塁走者は正規に本塁に触塁していました。その直前の塁に戻るのですから、三塁に戻る、ということです。ちなみに公認野球規則では、2・44の【原注】に「打者走者が一塁に到達しないうちに妨害が発生したときは、すべての走者は投手の投球当時占有していた塁に戻らなくてはならない」とありますが、リトルリーグ競技規則と同じことです。つまり、二塁走者がアウト。ホームインした走者は三塁に戻され、一塁走者は一塁に残る一死一、三塁から攻撃再開になります。

 このルール、二塁走者がタッチアウトなら、楽にホームインできたことを考えると、攻撃側にとって割に合わないようですね。ただ野球のルールは、反則を犯したほうにべナルティが科されるのが原則です。この場合、ボールを持った遊撃手と走者がぶつかったということは、妨害がなければその走者は、やすやすとタッチアウトにできたわけです。この架空のアウトは、守備妨害による現実の一死とで帳消しになりますから、さらに攻撃側にペナルティを与えるには、走者を戻すのが相当の処置、という考え方になります。

 守備妨害ということで、おまけをひとつ。

 キャッチャーフライを追った捕手が、ネクストバッターズサークルで控えていた次打者とぶつかり、転倒して捕球できなかったら? 妨害したのは次打者ですが、プレーの当事者じゃないから、アウトにするわけにはいきませんね。正解は…気の毒ですが、ファウルフライを打った打者がアウトです。リトルリーグ競技規則7・11に目を通しておいてください。

(※リトルリーグの競技規則は、一般の公認野球規則とは若干ちがう部分があります。)



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