【テーマ2】
一死ランナー、一、三塁で打球は内野に小フライ。一塁手がよくとって、ベースカバーに入った投手にトス、ランナー戻れずに併殺です。しかしこの間に、とれないと判断した三塁走者はホームを駆け抜けていました。 この1点は認められる?

 一死ランナー、一、三塁という場面です。ここまでは接戦で、1点を争う好ゲーム。当然ながら攻撃側はなんとか点がほしく,守備側は1点もやりたくありません。そんな気迫が、プレーに結びつきました。

 次のバッターが打った打球は、ちょうどピッチャーとファーストの間に上がる小フライです。一、三塁のランナーは、これはとれないと判断してスタートを切りました。ですがこれを、ファーストが飛び込み、ダイレクトでナイスキャッチ!さあ、一塁ランナーはこれを見て、あわてて戻ります。ですが一塁ペースカバーに入ったピッチャーにボールがわたるのが一瞬早く、ダブルプレーが成立しました。よし、チェンジだと、守備側はペンチに引き上げます。

 このとき、三塁ランナーがまだホームに達していなければ問題はありません。ただし、ダブルフレーが成立するより早く、三塁ランナーがホームを駆け抜けていると、ちょっとややこしくなりますね。この場合、この1点は認められるでしょうか。それとも、一塁のダブルプレーでスリーアウトになったのだから、認められないでしょうか。

 答えは、「1点が認められる」のです。たしかに一塁でダブルフレーが成立していますが、このスリーアウト目は、フォースアウトじやありませんね。三塁ランナーは、そのスリーアウト目よりも早く本塁をふんでいます。ここで、前回勉強したルール(4・09のa)を思い出してください。

 4・09のaは、第3アウトがフォースアウトの場合、その前にランナーがホームインしても得点にならない、というルールでしたね。逆をいえば、第3アウトがフォースアウトじゃない場合、それより早くホームをふめば得点になる、ということです。ですからこのケースは、このままでは1点が認められるのです。

 いま「このままでは」と書きました。よく考えてください。この三塁ランナーは、打球が飛ぶとすぐに、ダイレクトではとられないと判断してスタートし、そのままホームを駆け抜けています。直接フライがとられたのに、もとの塁に戻っていないわけです。そこに気がつけば、前回お話ししたように、三塁にボールを送って「いまのランナーはリタッチ(もとの塁に、ふれ直す)していません」とアピールプレーを行えばいいのです。そのアピールが認められれば、1点は取り消されます。

 「でも一塁でダブルプレーが成立して、もうスリーアウトになつちゃったから、気がついても手遅れでしょう」

 と思うかもしれませんが、そうではありません。アウトのおきかえというルールがあるのです。第3アウトが成立したあとでも「守備側チームは、そのアウトよりもほかに有利なアピールプレイがあれば、その有利となるアピールプレイを選んで、先の第三アウトと置きかえることができる」(7.09のd・注1)というのがそれです。

 守備側にとっては、一塁でのダブルフレーの問に1点失うよりも、アピールによって三塁ランナーをアウトにするほうが、何倍も「有利」ですね。ルールでは、第3アウトが成立したあとでも、その「有利」なアピールアウトを選び直すことができるということです。このルールを知っていれば、1点ソンすることもありませんね。

 ただしこの場合、アピールできるのは、最低でも一人の選手がフェアグラウンドに残っている問(リトルの場合。一般は内野手)だけです。全員がペンチに引き上げてしまっては、アピール権がなくなってしまうのです(7・09のd・注1)。もちろん、ダイレクトでフライをとったあとに、落ち着いて三塁に送球すればなんの問題もありません。ですがナイスキャッチしたファーストや、カバーに入ったピッチャーなどは、目の前のプレーに夢中です。とにかく近い塁に投げることが先決ですから、一塁でダブルフレーをとるのは決して間違いじゃありません。

 このときにサードやレフト、あるいはキャッチャーは、きちんと三塁走者のリタッチを確認しておきましょう。そうすれば「やれやれチェンジだ、でも1点とられちゃった」とペンチに引き上げる前に、アピールプレーで1点を防ぐこともできるのですから。

(※リトルリーグの競技規則は、一般の公認野球規則とは若干ちがう部分があります。)



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