【テーマ19】
打撃妨害されながらレフトフライ…

 読者の方にこんな質問を受けました。

「妨害には、インターフェアとオブストラクションがありますね。どう違うのですか?」

 確かにややこしい。ですがこれは、折に、加れてルールフックを見ていれば簡単にわかることですが、リトルリーグ競技規則に、明示されているのです。2・00には、こうあります。

 INTERFERENCE(インターフェアランス=妨害):(a)攻撃側の妨害とは、打撃についているチームが野手のプレイに干渉したり、その障害、妨げ、阻害となったり、混乱を起こさせるような行為をいう。(後略) (b)守備側の妨害とは、投球を打とうとする打者を妨げる野手の行為をいう。(以下略)

 OBSTRUCTION (オブストラクション=走塁妨害):ボールを持っていない野手、またはボールを処理する行為をしていない野手が、走者の進塁を妨げた場合をいう。(後略)

 つまり、インターフェアは打撃妨害、守備妨害をさし、オブストラクションは走塁妨害のことというわけ。英語でinterfereは(競技で相手の選手を)じゃまする、obstructには(道を)ふさぐ、という意味があることからの区別でしょう。

 では、こんなケースはどうなるのでしょう。ランナーが一塁にいて、打者はセカンドゴロを打ちました。夢中で二塁に向かった走者が、そのボールを処理しようとしているセカンドとぶつかってしまった。ただし意園的ではなく、不可抗力でぶつかったとします。さてこれは、守備妨害? それとも走塁妨害?

 答えは、守備妨害です。リトルリーグ競技規則7・09(l)は、こう定めています。「走者が打球を処理しようとしている野手を避けなかったか、または故意に送球を妨害した場合(走者はアウト・後略)」。つまり、故意か否かは問題ではなく、結果として野手を避けなければ守備妨害になるわけです。

 飛んでくるボールはひとつしかありませんが、走者が走る走路には選択肢があります。そのために、守備側の権利をまず優先しているわけですね。この優先は、野手がポールに対して動き出してから、投げ終わるまで継続します。

 では、インターフェアがらみでもうひとつ、問題です。無死走者三塁で打者が打つとき、捕球にいったキャッチャーのミットが、パットにふれてしまいました。打撃妨害ですね。ところが、打球はレフトフライになりました。@タッチアップした三塁走者がホームインしたときAタッチアップした三塁走者が、ホームでアウトになったときには、どのような判定になるのでしょうか。

 まず@のケース。「打撃妨害があったら、打者は一塁に進塁するんだから、ホームインは認めず、無死走者一、三塁からプレー再開でしょう」。う〜ん、残念。一見それが正解のようですが、ルールというのは基本的に、不利をこうむったほうが利益を受けるようにできています。ホームインを認めないというのは、その原則に反していますよね。6・08(C)を見てみましょう。
 
 「捕手または野手が打者を妨害したが、妨害行為の後のプレイが続いて行なわれた場合、攻撃側の監督は妨害ペナルティを辞退し続行プレイを受け入れることを主審に申し入れできる。この申し入れは、続行プレイの直後に行なわれなければならない。但し打者が、安打、失策、四球、死球、その他によリ一塁に達していて、更に他のすべての走者が少なくとも一個の進塁を果たしているときは、妨害行為に関係なく競技は進行するものとする。」

 つまり妨害があっても、打者走者が一塁に生きればその続行プレーは自動的に優先される。“不利をこうむった側に利益”の原則ですね。さらに“攻撃側の監督は妨害ペナルティを辞退し続行プレイを受け入れる”こともできる。つまり、タッチアップからホームインしたら、それを選択してもいいし、打撃妨害を選択して無死一、三塁にしてもいい。その選択権は、攻撃側の監督にあるのです。アウトカウントを増やしたくない、あるいは走者を三塁に置いたまま相手にプレッシャーをかけたいときなどは、こちらを選択するケースもありえますね。

 では、Aの場合はどうでしょう。リスクを犯してタッチアップしたのだから、ダフルプレー? それとも、三塁走者はアウトで、打撃妨害を受けた打者が一塁に生きる? いえ、これも、さきほどの6・08 (C)をよく読めばわかるでしょう。攻撃側の監督は「続行プレイを受け入れることを主審に申し入れできる」のであって、続行プレーが自分たちに不利ならば、わざわざ申し入れることはありません。つまり、妨害によるペナルティを得て、無死一、三塁となるわけです。

 実戦では、打撃妨害がありながら、打者が打つこともありますね。攻撃側も守備側も、そのときに「ああ、走者一塁だな」と決めつけるのは禁物。打球が飛んだら、プレーが続行する可能性もあるのですから、気を抜かずに全力でプレーを続けてください。

(※リトルリーグの競技規則は、一般の公認野球規則とは若干ちがう部分があります。)



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