【テーマ16】
打順がおかしい

 実際の試合で、たとえば攻撃が始まるとき、うっかリ一人抜かしてしまった、あるいは、あやうく抜かしそうになった、なんて経験はないですか。スコアボードに打順が表示されるのならともかく、リトルリーグでは、つけているスコアが頼りでしょう。ことに、守備の交代や代打が出たあとなどには、なにかのカン違いで、打順を間違ってしまうことがないとは限りませんね。

 そこで今回は、打順を間違えたときの処置をお話ししましょう。たとえば、こんな打順のチームが攻撃しています。

(1)阿部
(2)加藤
(3)佐野
(4)田口
(5)中山
(6)浜崎
(7)牧田
(8)矢沢
(9)渡邊
 
 さて、第1問。本当は阿部君の打順なのに、うっかり加藤君が打席に立ってしまう。あれ、と攻撃側が気づいたときには、すでにボールカウントが2−1になっていたとしましょう。リトルリーグ競技規則6・07は「打撃順に誤りがあった場合」について定めたものです。その(a)(1)にはこうあります。
 
 「不正位打者が走者になるか、またはアウトになる前であれば、正位釘者は不正位打者のボール及びストライクのカウントを受け継いで、不正位打者に代わって打撃につくことができる」
 
 この場合、不正位打者とは加藤君、正位打者は阿部君。ですから、気がついた時点で阿部君がカウント2−1で打席に立つわけです。加藤君は、阿部君の打席が終わったあと、あらためて打席に立つことになりますね。この処置は、守備側からアピールがあっても同様です(公認裁定の競技例1)。また審判は、かりに打順の間違いに気づいても、注意してはいけません。

 次の問題。加藤君の打順なのに、間違って打席に立った佐野君が、見事にホームランを打ったとしましょう。ここで守備側が誤りに気づいて、アピールしました。このとき、アピールのタイミンゲによって処置が変わってきますので注意してください。

 ホームランを打ったあとただちに(佐野君のつぎの田口君に対して投球する前)アピールが行われれば、加藤君はアウトを宣告され、佐野君がもう一度、正位打者として打席に入ります[6・07(b)]。ところが、アピールが田口君に投球してしまったあとだと、佐野君のホームランが認められてしまい、田口君がそのまま正位打者になるのです[6・07(C)]。

 アピールが田口君に投げる前かあとかで、ワンアウトか1点かと変わってくるわけで、これは大きな違いですね。

 では、これはちょっとややこしい。中山君と浜崎君が連続ヒットで無死一、二塁。ここで牧田君が内野ゴ□で浜崎君がフォースアウトとなリ一死一、三塁です。次は矢沢君の打順ですが、ここで間違って打席についた渡辺君のとき、暴投で中山君がホームインし、牧田君も二塁に進みます。ここで渡辺君が内野ゴロ。牧田君は三塁に進みました。

 このとき、守備側がただちにアピールを行ったとしましょう。

 まず、矢沢君がアウトを宣告されます。ただ、中山君の得点、牧田君の進塁は暴投によるもの。不正位打者である渡辺君の打撃とは無関係なため、そのまま有効となります。ただし牧田君の三塁への進塁は、不正位打者・渡辺君の打球の結果であるため、二塁へ戻らなくてはなりません。つまリ1点入り、二死二塁の状況で、こんどは正位打者である渡辺君が打席に立つことになります[6・07(b)、競技例3]。

 これが、つぎの阿部君に1球でも投げられたあとなら、得点が認められるばかりか、牧田君は三塁にとどまり阿部君が正位打者ということになります。 
 
 ここまでは打順が一番違いの例でしたが、たとえば一番阿部君の打順のときに、五番の中山君が打席に立ったとしましょうか。そしてクリーンヒット。攻撃側は打順の誤りに気づきましたが、せっかく出塁したので、知らぬ顔で一番阿部君が打席に入りました。投げたボールはストライク。ここでやっと、守備側が誤りに気づきアピールしました。
 
 このときは、六番の浜崎君が正位打者となり、中山君が三塁に生きたまま、カウント1―0から打席を受け継ぐことになります。投球前にアピールしないと、不正位打者だった中山君が正位化されるのです。これが投球前のアピールなら、阿部君がアウトになり、加藤君の打席から攻撃が続くことになる[6・07(d)〕。

 打順の間違いは、そうそうあることではありません。ですが、ことに守備側にとっては、そのアピールをするタイミングしだいで、天と地ほどの差が出ることもあるのです。守備につく前に、「相手の攻撃は○番打者からだぞ」と、バッテリーはもちろん、全員でしっかり確認するクセをつけてください。ちなみに6・07には、ほかにもいくつか例題があがっていますので、一度目を通してみたらいいでしょう。

(※リトルリーグの競技規則は、一般の公認野球規則とは若干ちがう部分があります。)



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