【テーマ12】
ホームインのあと打者走者がヘッドスライディング。得点はみとめられる?

 さあ、いよいよ野球シーズンの到来です。リトルリーグ委員会では昨年の秋、懸案だった競技規則の改正を行いました。これはきたる将来の、日本でのアジア大会開催を視野に入れたもので、日本独自のルールの適用を廃止し、できるだけ世界共通のルールに近づけていく方向に沿っています。

 規則の改正は

(1)ボークのときは走者を進塁させず、ボールをカウントする
(2)ヘッドスライディングはアウトにする
(3)1試合に使う投手の数に制限はない
(4)選手からのハーフスイングのリクエストを受ける
(5)投手への指示は監督またはコーチができる
(6)試合前のブルペンでの投球練習を監督及びコーチが傍らで見てもよい

の6点ですが、今回はそのうち、(2)の改正について考えましょう。

 従来のリトルリーグ競技規則7・07の(a)の(4)では、「前進中の走者が頭から滑り込みをした場合」走者はアウトになるとありましたが、これには「日本では適用しない」という但し書きがありました。ヘッドスライディンゲをしても、アウトになることはなかったのです。それが今回の改正では、この但し書きが削除されました。ヘッドスライディングは、足からの滑り込みよりもケガをしやすいものですが、ルールによって、それを未然に防ごうというわけです。

 では、こんなケースを考えてみましょう。二死でランナーが二塁。バッターの打球は、外野を抜ける二塁打性の当たりで、二塁ランナーはホームを駆け抜けました。ところが打者走者は、ヘッドスライディングをするとアウト、というルールを知ってか知らずか、夢中で二塁に頭から滑り込んでしまいました。この場合、二塁ランナーのホームインは認められるでしょうか。

 打者走者は「前進中の走者が頭から滑り込みをした」のですから、タイミングがセーフであろうがなかろうが、アウトであることは間違いありません。とするとこの場合問題になるのは、二塁走者のホームインと、打者走者のアウトとどちらが先か、ということになります。いわゆるタイムプレー。ですから、もしホームインが先なら1点が認められるわけです。二塁を狙ったランナーが、正規のスライディングをしてタッチアウトになったのと同じ、と考えれば わかりやすいでしょう。逆にホームインよりヘッドスライディングをしたのが先なら、スリーアウトチェンジです。

 では、二死ランナー三塁で、内野ゴロを打った打者走者が、一塁に頭から滑り込んだ場合はどうでしょうか。

 三塁ランナーが先にホームに触れていたとしましょう。4・09の(a)(2)には、「走者がフォースアウトされて、第3アウトがとられた場合」には、走者が本塁に進んでも得点とならない、とされていますが、ヘッドスライディンゲによるアウトは、厳密にはフォースアウトではありませんね。

 では、三塁ランナーがホームを踏んだあと、一塁にヘッドスライディングしたら、1点が認められるのでしょうか。それはおかしい。ヘッドスライディングという反則を犯したほうが得するという、変なことになってしまいますからね。そういう不公平を避けるために、このようなケースで一塁にヘッドスライディングした場合は、フォースアウト扱いとする、という申し合わせになっています。

 つまリタイミングが微妙ならば、攻撃側は駆け抜けるか足からスライディングしたほうが得、というわけですね。

 また、ヘッドスライディンゲがアウトになるのは、「進塁中に限る。挟殺または牽制プレイに於いて帰塁する場合は該当しない」と7・07(a)(4)の(注)にあります。要は一、二塁問にはさまれて二塁に戻るとき、あるいはキャッチャーからの牽制で帰塁するときには、頭から滑り込んでもいいということですね。

 ただし、です。注意したいのは、これはあくまで帰塁する場合″の話。つまり、たとえば一、二塁問のランダウンプレーで、二塁に進むときには該当せず、やはりヘッドスライディングはアウトになるということになります。

 またついでですが、たとえ故意ではなくても、足がもつれ、結果的に頭から滑り込むような格好になることもありえますね。これがたとえば、明らかに塁間ならば、単につまずいたとしてプレーはそのまま進みます。ですが、もしべ−ス近くでそうしたプレーが起こったら、審判の判断によってヘッドスライディングと見なされ、アウトにされることもあると頭に入れておいてください。

(※リトルリーグの競技規則は、一般の公認野球規則とは若干ちがう部分があります。)



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