【テーマ11】
三遊間を打球が抜けた!飛びついた野手がランナーの走塁を妨げたら?

 ニ死ランナー二塁で、打球は三遊間に転がりました。ショートは必死に飛びつきますが、残念、ボールはレフトに抜けていきます。ショートはすかさず起きあがって、次のプレーに備えようとしました。

 そのときです。夢中で起きあがったショートは、二塁ランナーが走ってくるのに気づかずに、接触してしまいました。ちょっと足踏みをしたランナーですが、ふたたび走り出し、そのまま三塁を回って本塁を狙います。そこへ、レフトからの送球が返ってきました。きわどいタイミングですが……間一髪、アウト!

 しかし、考えてみてください。もしショートと接触していなかったら、タイミングはセーフだったはずです。ショートの接触が走塁妨害ならば、得点は認められてもいいですね。もっともリトルリーグ競技規則では、オブストラクション(=走塁妨害)について、次のように定めています。「ボールを持っていない野手、またはボールを処理する行為をしていない野手が、走者の進塁を妨げた場合をいう(後略)」

 さて、ややこしいのはここです。ショートは確かにボールを持ってはいませんでしたが、ダイビングキャッチを試みたのは、”ボールを処理する行為”です。立ち上がろうとするのがその一連の動作であれば、”ボールを処理する行為”に含まれるのではないか。もしそうならば、走塁妨害は成立しないことになりますね。判定通り、アウトになります。

 しかし、野手にじゃまされて走るのが遅れたのは事実ですから、アウトといわれても攻撃側は納得いきませんよね。果たして、このランナーのホームインは認められるのでしょうか。これについては、公認野球規則2・51の[原注]に説明されています。「(前略)野手がボールを処理しようとして失敗した後は、もはやボールを処理している野手とはみなされない。たとえば、野手がコロを捕ろうとしてとびついたが捕球できなかった。ボールは通り過ぎていったのにもかかわらずグラウンドに横たわったままでいたので、走者の走塁を遅らせたような場合、その野手は走塁妨害をしたことになる」

 ボールに飛びついたショートが立ち上がったのは”ボールを処理しようとして失敗した後”ですから、もはや”ボールを処理している野手”とは見なされません。それが”走塁を遅らせた”。つまり、[原注〕と同じ状況です。

 ショートに妨害する意思があろうがなかろうが関係なく、走塁妨害が成立するのです。

 ただしこの際、注意すべき点がもうひとつ。走塁妨害にはふたつあり、ひとつは妨害を受けたランナーに、直接プレーが行われている場合。ランダウンプレーなどで、ボールを持たない野手がランナーを妨げたケースなどですね。もうひとつは、ランナーに直接プレーが行われていない場合。問題のように、接触したときにはボールは外野にあれば、ランナーに対して、プレーが直接は行われていないことになります。

 いずれも同じ走塁妨害なのですが、前者の場合はボールデッドとなり、ランナーには、走塁妨害発生時よりも少なくとも一個先の塁が与えられます(7・06のa)。これが後者となると、ボールデッドにはならず、そのプレーが完了するまで、試合は進行します。

 問題でも、ボールデッドではなくそのままプレーが続き、レフトが本塁に送球していますね。そして「その後で審判員はタイム″を宣告し、必要とあればその妨害行為を取り除く効果をもたらすと審判員が判断するペナルティーを与えるものとする」(7・06のb)。要するに、妨害があってもひとまずそのプレーを完了させる。そしてあらためて、妨害がなかったらそこまでいけたと推定できる塁まで進塁させる、ということですね。

 この場合の審判の処置ですが、

1.妨害があった時点でシグナルを出す(ただしインプレー)
2.プレーが一段落したらタイムをとる
3.全審判員で協議
4.判定という段取りで、もし妨害がなくてもアウトと判断されたら、アウトを宣告することもあります。

 ただこの問題では、妨害があってなおかつ間一髪のアウトでした。妨害がなければ、ホームインできるタイミングだと考えていいでしょう。全審判員で協議したうえ、走塁妨害で、ホームインを認めることになります。

(※リトルリーグの競技規則は、一般の公認野球規則とは若干ちがう部分があります。)



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