【テーマ10】
ランナー三塁で暴投、サヨナラだ!
でも、ちょっと待って。こんなケースもある。

 この講座の「テーマ1」を思い出してください。最終回裏の二死満塁から四球を選んだとき、バッターに一塁にいく意思がないと見なされると、得点が認められないという勉強をしました(リトルリーグ競技規則4・09のb)。つまり、「やった、押し出しサヨナラだ」とカン違いし、ホームにやってくる三塁走者を待ち受けていてはダメ、ということでしたね。

 では、似たようなケース。最終回裏、二死三塁で、パック」のボールカウントは2−3としましょう。ここで次の投球は、外角高めにとんでもない暴投。キャッチャーもあきらめて、ボールを拾いにいかないくらいで、パックネットまで転々とするあいだに、もちろん三塁ランナーはらくらくホームインします。

 サヨナラだ! 攻撃側は大喜び、守備側はうなだれて整列しました。ここで、四球を選んだ打者も「勝った」と大喜びで一塁には向かわず、そのまま列に加わっていたとしましょう。さてこの場合、どうなるのでしょうか。

 4・09のbを復習してみます。「正式試合の最終イニングの裏または延長イニングの裏で勝利点が記録される場合であって、しかも満塁における四球ないしは死球、またはその他のプレイにより三塁上の走者が進塁せざるを得ない場合は、三塁から押し出される走者が本塁に触塁し、打者走者が一塁に触塁するまでは、審判員は試合終了を宣告してはならない」

 要するに、押し出しサヨナラのケースでも、バッターが一塁を踏まなければ、ゲームセットにはならないということですね。そして、一塁にいく意思がないと見なされると、ペナルティーとしてアウトを宣告されるわけです。このときには、とくに守備側のアピールはいりません。ところが今日のケースは、満塁ではない。4・09のbは、あてはまりませんね。

 ではやっぱり、そのままサヨナラ試合になるのでしょうか。ここで登場するのが、6・08のaというルールです。

「打者は下記の場合は走者となり、アウトにされることなく一塁に進塁できる。(但し打者が一塁に進み、塁に触れることを条件とする。)(a)審判員が″四球″を宣告した場合」

 ややこしいですが、よく読んでください。″但し打者が一塁に進み、塁に触れることを条件とする″ということは、一塁に触れなければアウトにされることもあるということです。ちなみに公認野球規則では、もっと詳しく「ボール四個を得て一塁への安全進塁権を得た打者は、−塁に進んでかつこれに触れなければならない義務を負う」としています。

 つまり、こういうことです。4個目のボールが暴投であろうがなかろうが、打者は一塁にいかなくてはならないのです。そこで、このケース。守備側は、「暴投だ、サヨナラ負けだ」とがっかりあきらめる前に、打者が一塁を踏むかどうかを確認するように心がけておいてください。

 もし打者が一塁に向かわないようだったら、パックネットまで転がったボールを持って、守備側の選手が一塁に触塁すればいいのです。そうすれば審判は、一塁に進むペき打者がその義務を怠ったとして、アウトを宣告するでしょう。そうすれば得点は認められません。三塁走者がホームを踏むのよりも先に、打者に一塁に進む義務が生じたのが先ですからね。

 こうして、試合は続行。細かく目を配っていれば、みすみすサヨナラ負けを喫してしまうこともないのです。この権利は、整列して、審判が「ゲーム」を宣告するまで。そのとき、もしボールが審判の手に渡っていたら、それを要求してもいいのです。

 逆に攻撃側は、四球を選んだときは、どんな状況であれ、とりあえずは一塁を踏むことを覚えておきましょう。

 それにしても、ルールとは不思議なものです。もしこの暴投が4ボール目でなければ、すんなりとサヨナラ勝ちが決まっていたのに、なまじ四球を得たから、打者に進塁の義務が生じてしまったわけですから。いずれにしても、攻撃側・守備側とも、早合点は禁物ですぞ。

(※リトルリーグの競技規則は、一般の公認野球規則とは若干ちがう部分があります。)



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